2014年4月6日日曜日

"Je n'y vais pas s'il pleut"

今日は投票日だった。投票所は近所の自治会館で、わたしがふつうに歩いて行けば5分もかからないところだ。午後から出かける用事があったので、朝食を済ませたらゆるゆると出かけようと、母と約束していた。しかし、夜半から降り出した雨が、朝になっても止まなかった。

「雨降ってたら、行かへんえ」
「またそんな。選挙は行かなあかんで。どしゃ降りにはならへんよ、今日は。すぐ近くやし、行こうよ」
「雨降ってたら、行かへん」

台所を片づけて耳を澄ますと、いつのまにか雨音は止んでいた。
おもてへ出てみると、陽が射している。

「晴れたよ」
「ほな、行こ」

母は身支度をし、手押し車を押して上がり框のところまで来て腰掛け、靴下をはきなおし、靴を履き、上着を羽織って、上がり框に腰を滑らせて、外出用の手押し車のところまで行こうとした矢先、再び強い雨が降ってきた。わたしなら投票所と家を3往復できるくらいの時間、晴れていたんだけど、残念である。

「雨降ってるし、行かへん」
「すぐ止むよ。いまもそんなにきつい雨とちゃうよ」
「もう行かへん。ひとがせっかく靴履いてんのに、殺生な。行かへん」

そう言って、せっかく履いた靴を脱ぎ、上着も脱いで、室内に戻ろうとする母。

「ほな、あたし、行ってくるよ。すぐ帰るしな」
「傘さして行きや」

そら、傘さすってば(笑)。しかし、そう思いながら傘を手におもてへ出ると今度は止んで青空がのぞいていた。

「止んだよ! もうお日さん出てるよ。行かへんの」
「行かへん。また降るかもしれんやろ、歩いてる間に」
「傘持って行くやん」
「雨降ったら行かへん」
「今降ってへんって。止んだって」
「そやけど、さっき降ってた。せっかく人が行こうとしてんのに。もうええのん。雨降ったら行かへんにゃ」

お隣のおばちゃんも声かけてくれたけど、けっきょく母は行かなかった。
今日は一日強い風が吹き、春とは名ばかりの寒い日だった。晴れ間が見えていたとしても強風でポカポカお散歩気分にはなれない。母の気持ちもわかる。手押し車で両手がふさがるので自分で傘を差せないし、わたしが母に傘をさしかけるわけだが、どうしても半身濡れてしまう。それが、たぶん嫌なのだ。

投票結果は予想どおりでまず順当。

「私が行かんでも、おんなじこっちゃ」

ほら、だから、そういう人ばかりだから、あんな大阪市長とかあんな大阪府知事とか、あんな東京都知事とか、あんなソーリ大臣とかになっちまうわけさ。






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